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コラム

片頭痛は飲み薬で予防する時代へ。アクイプタ(アトゲパント)の特徴と注射との違い|豊中市

「頭痛があるたびに薬を飲んでいるけれど、このままでよいのかな?
「予防の注射は気になるけれど、できれば飲み薬で治療したい!
「もうすぐ片頭痛の新しい薬が使えると聞いたけれど、いままでの薬と何が違うの?

このようなお悩みをお持ちの方は少なくありません。
片頭痛は、ただの頭痛ではなく仕事や家事、育児、外出の予定にまで影響するつらい病気です。
頭痛が起こるたびに市販薬や頓服でやり過ごしているうちに「また来るかもしれない」という不安そのものが負担になっている方もおられます。

 

【豊中市・庄内】片頭痛の新しい飲み薬「アクイプタ」とは?

最近は片頭痛治療の選択肢が大きく広がってきました。
これまでの治療に加えて、CGRPという片頭痛に深く関わる仕組みを標的にした新しい薬が登場し、
注射だけでなく飲み薬でも予防治療ができる時代になりつつあります。

2025年12月にナルティークOD錠75mg(リメゲパント)が日本で発売されました。
さらに2026年2月にはアクイプタ(アトゲパント)が日本で承認されました。

ナルティークはすでに使用できる薬ですが、アトゲパントは現時点で公的資料上、販売開始日はまだ明示されていません。

「どちらも新しい薬のようだけれど、何が違うの?」
「自分には注射と飲み薬のどちらが合っている?」
「今使っている治療から切り替えたほうがよい?」

こうした疑問はとても自然なものです。
この記事では、アトゲパントとナルティークの共通点と違い、さらにCGRP注射製剤との使い分けや切り替えについて、患者さんにも分かりやすいように解説します。

 

この記事のポイント

  • アトゲパントもナルティークも、CGRP受容体を標的とする飲み薬です。

  • ただし、ナルティークは「発作時」と「予防」の両方に使える一方、アクイプタは「予防専用」です。

  • ナルティークは通常75mg隔日内服で予防し、発作時には1回75mgを使用します。アクイプタは通常60mgを1日1回内服します。

  • CGRP注射製剤で十分な効果がない場合に、アクイプタはスイッチ先の候補になり得ます。

  • 一方で、CGRP注射製剤とgepantの併用は有望ですが、まだ大規模長期データは十分とはいえません。

 

アクイプタとナルティークの一番大きな違い

両者は同じ「gepant」に分類される経口CGRP受容体拮抗薬ですが、最も大きな違いは役割です。

ナルティークは、日本で「片頭痛発作の急性期治療及び発症抑制」の適応を持っています。つまり、痛いときにも使え、予防にも使える薬です。予防では75mg隔日投与、発作時には1回75mgを使います。

これに対してアクイプタは、日本では「片頭痛発作の発症抑制」のみの適応です。通常は60mgを1日1回内服し、併用薬や肝機能・腎機能によっては調整が必要です。つまりアクイプタは、頓服ではなく予防をしっかり続けるための薬と考えると分かりやすいでしょう。

 

どんな方にが向いているのか

アクイプタは、片頭痛発作が繰り返し起こり急性期治療だけでは日常生活への支障が残る方にとって検討しやすい予防薬です。
特に次のような方では、相性がよい可能性があります。

  • 発作回数が多い

  • 毎回の頓服だけでは生活が整わない

  • 注射ではなく内服で予防したい

  • 定期的に飲むスタイルの方が続けやすい

アクイプタは毎日1回の内服で継続する薬であり痛くなったときに飲む薬ではありません。
したがって、「発作が起こる前に減らす」ことを目指す治療に向いています。

 

CGRP【注射】製剤との違い

現在、日本で使われている片頭痛のCGRP関連注射製剤には、エムガルティ、アジョビ、アイモビーグがあります。
これらは月1回、または一定間隔で投与する注射製剤であり、アクイプタは毎日飲む予防薬です。剤形が異なるため、治療選択の考え方も少し変わります。

注射製剤は、「毎日飲まなくてよい」「飲み忘れが少ない」といった利点があります。
一方で、自己注射への抵抗感、通院負担、注射部位反応などが気になる方もいます。

アクイプタは内服薬であるため、「注射は避けたい」「毎日の服薬のほうが自分には合う」という方には選びやすい可能性があります。

 

注射製剤からアクイプタへスイッチできるのか

実臨床では、「CGRP注射製剤を使ったが効果が十分ではなかった」「注射が負担になった」という理由で、別の治療へ切り替えたい場面があります。
そうした場合、アクイプタはスイッチ先の候補になり得ます。

抗CGRPモノクローナル抗体で十分な効果が得られなかった患者にアトゲパントを使用した海外の研究があります。

一定の割合で改善がみられたことが報告されていますが、これはランダム化比較試験ではなく海外の観察研究のため注意が必要です。
「必ず効く」とまでは言えませんが、注射製剤がうまく合わなかった方にとって次の一手になる可能性はあります。

 

注射製剤とアクイプタ、ナルティークは併用できるのか

ここは非常に重要なポイントです。

まず、CGRP注射製剤を予防として使いながら、ナルティークを急性期治療薬として使うことについては、小規模研究や後ろ向き研究で大きな安全性上の問題は報告されていません。したがって、予防は注射、発作時はナルティーク、という組み合わせは今後さらに検討される実践的な選択肢です。

一方で、CGRP注射製剤とアクイプタを、いずれも予防薬として積極的に重ねて使う方法については、現時点では標準治療として確立しているとは言えません。
今後の研究が待たれる段階です。したがって現実的には、次のように整理するのが分かりやすいでしょう。

  • 注射製剤で十分効いているならそのまま継続する

  • 効果不十分や負担が大きいならアクイプタへの切り替えを検討する

  • ナルティークは発作時治療薬として追加を考える場面がある

このように、同じCGRP関連薬でも「何のために使うのか」を分けて考えることが大切です。

 

ナルティークとアクイプタ、どちらがよいのか

どちらが優れているかを単純に決めることはできません。
なぜなら、この2剤は似ているようで、役割が違うからです。

ナルティークは「発作時にも予防にも使える二刀流の薬」です。
一方、アクイプタは「予防に特化した毎日1回の薬」です。

そのため、

  • 発作時にも使える薬がほしい

  • 予防薬と頓服をなるべくシンプルにしたい

という方にはナルティークが合う可能性があります。

反対に、

  • 発作回数が多く、しっかり予防したい

  • 毎日内服する形のほうが続けやすい

  • 注射から内服へ切り替えたい

という方にはアクイプタが合う可能性があります。

 

もう少し詳しく知りたい方へ

アクイプタは、国内では60mg 1日1回が基本です。
ナルティークは、発作時には1回75mg、予防では75mg隔日投与です。

また、CGRP関連治療は同じ系統に見えても、注射製剤は抗体医薬、アトゲパントやリメゲパントは低分子受容体拮抗薬であり半減期や使い方、期待される役割が異なります。
今後は、患者さんごとの頭痛頻度、発作の強さ、頓服の効き方、注射への抵抗感、通院負担などを踏まえて、より個別化した治療選択が進むと考えられます。

 

【豊中市・庄内】片頭痛のご相談は、もといえ脳神経クリニックへ

片頭痛治療は、「市販薬で何とかやり過ごす時代」から、「自分に合った予防治療を選ぶ時代」へ変わってきています。

アクイプタのような新しい選択肢が加わることで、これまで注射が合わなかった方や、内服で予防したい方にも治療の幅が広がる可能性があります。
一方で、ナルティークとの違い、CGRP注射製剤との使い分け、スイッチの考え方などは、専門的な判断が必要です。

当院では片頭痛のタイプや頻度、これまでの治療歴、現在のお薬、生活への支障の程度を丁寧に確認し、CGRP注射製剤、ナルティーク、今後使用可能となるアクイプタも含めて、適切な治療選択をご提案します。

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このようなお悩みがある方は、どうぞご相談ください。

 

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もといえ脳神経クリニック

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午後診 14:40 ~ 18:00
※水曜・土曜午後、日曜・祝日は休診

 

参考文献

  • アクイプタ錠 添付文書・インタビューフォーム(PMDA/製品情報)

  • ナルティークOD錠75mg 添付文書(PMDA/製品情報)

  • Safety of Rimegepant, an Oral CGRP Receptor Antagonist, Plus CGRP Monoclonal Antibodies for Migraine. PMID: 32799325

  • Safety and Tolerability of Combining CGRP Monoclonal Antibodies with Gepants in Patients with Migraine: A Retrospective Study. PMID: 38361080

  • Atogepant after anti-CGRP monoclonal antibodies failure in migraine: a multicenter real-world study of effectiveness, safety, persistence and predictors of response. PMID: 41315923

  • Retrospective cohort study of anti-CGRP monoclonal antibody unresponsive migraine individuals treated with atogepant: The RESCUE study. PMID: 40501126